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Akatsuki Hackers Lab | 株式会社アカツキ(Akatsuki Inc.)

Akatsuki Hackers Labは株式会社アカツキが運営しています。

次世代の組織のあり方「ホラクラシー」

holacracy management その他 ホラクラシー マネジメント

Delivering Happinessを会社の目的として掲げるZapposが、新しい組織構造としてホラクラシーを採用して以来、IT界隈でこの考え方が急速に注目を集めるようになりました。 ただ、日本語の情報がとても少なく、ホラクラシーについての誤解が飛び交うことが多いような気がしたので、一度周辺の話題をまとめてみようと思いました。

ホラクラシーとは

ホラクラシー自体は、HolacracyOneという会社が展開している、組織の構造や文化を改善するための一連のシステムを指し示しています。 旧来のマネジメントで必ずといっていいほど発生する官僚主義や権限の集中化によるデモチベーション、無駄な会議、社内政治等の諸々の問題を解決する仕組みとして提案されています。

ホラクラシーでは、これまで当たり前であったピラミッド型の階層化された組織構造は使われません。 これまでの組織を船として例えれば、リーダー(船長)が問題解決や意思決定をし、その他の人達が命令に従って動くというモデルが当たり前でした。 ホラクラシーでは、組織を「生き物」として例え、メンバーは「細胞」として機能すると考えます。 生き物において細胞は脳による司令によって動くのではなく、自発的にまわりの細胞と協調しながら(自己組織化しながら)、必要な機能を果たします。 組織においても、一部のリーダーによる司令にメンバーが従うのではなく、セルフ・マネジメントや自己組織化をするメンバーの集まりが必要に応じて機能していく方が理にかなっていると考えられています。

ホラクラシー≠フラット

ホラクラシーの考え方があまりにも旧来の組織構造と異なっているため、近年よくみかける、リーダーがいない「フラット」な組織をすべてホラクラシーだととらえられがちですが、これは間違いです。 ホラクラシーは旧来のマネジメント方式に比べて、むしろ複雑な構造となっております。 というのも、人と人とのつながりが単なる上司・部下間のつながりで済まされる木構造ではなく、「サークル」とよばれる特定の機能を果たす集団内で複雑なネットワークができるからです。

成文主義

ホラクラシーの特徴は何かと聞かれれば、私は「成文主義」と応えます。 ホラクラシーのマネージャーからの権限委譲をする考え方はそこまで目新しいものではないかと思います。 HolacracyOneの事業で特徴的なのは、その考え方を多数の企業に再現可能な形で展開するために、「ホラクラシー憲法」を作ってしまったことであると思います。 この憲法に基いて顧客の企業に研修を展開することで、比較的大きな組織でも、ロバスト性を保ってホラクラシーの考え方を浸透することができるようです。 憲法を見ていただくとわかると思いますが、もはや法律かと思われるレベルの規程があり、ホラクラシーを真面目に導入すると、会議の進め方、発言権の決め方等をホラクラシーのルールに則り細かく管理する必要があります。 成文主義によって、ルールに従っていれば誰にでも導入ができる反面、そのルールを学ぶハードルがやや高いという印象を持っています。

より抽象的な組織論

ホラクラシーについて調べていく中で、組織の形態が進化していく過程と、次世代の組織がどの方向に向かっていくのかを詳細に研究しているFrederic Laloux氏の考え方に行き着きました。 同氏は、組織の進化の過程を以下のように分類しています。

  • Orange Organizations: 旧来のピラミッド型階層構造、「機械」としての組織、ほとんどのヒエラルキーが存在する企業
  • Green Organizations: 目的と意義のために高い自由度をもって働く組織、「家族」としての組織、 Starbucks, Southwest Airlines等
  • Teal Organizations: 「生物」としての組織、Holacracy, Buurtzorg等

Frederic Laloux氏によるとTeal Organizationsの3大ブレークスルーは以下です。

  • Self Management: セルフ・マネジメントをする
  • Wholeness: 「ありのままの自分」で仕事をしてもいい
  • Evolutionary Purpose: 組織の行く方向を誰かが仕切って決めるのではなく、組織が「どこに行きたがっているか」に耳を傾ける

「文化は戦略を食う」といった考え方や、ビジョナリー・カンパニーで強調される文化の重要性は常識となってきたような気がしますが、Teal Organizationのブレークスルーはその文化を測る尺度として新たな軸となるのではないでしょうか。

参考文献

  • Why Employeer Are Always a Bad Idea, Chuck Blakeman
  • Maverick, Ricardo Semler
  • Work Rules!, Laszlo Bock
  • Holacracy, Brian Robertson
  • Reinventing Organization, Frederic Laloux

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